刻 Koku

Koku 2025 Shop Design

刻 東京都台東区 2025年 店舗デザイン

一つひとつ刻まれる時と技

 東京都台東区のかっぱ橋という飲食店の調理器具などを扱う、日本でも有数の道具屋筋に、刃物を展示販売する店舗のデザインを担当した。刃物と言っても様々な用途や形、素材、デザインがあり、刃物の歴史は旧石器時代の打製石器が始まりと言われ、その後金属製に変わり、平安時代後期になってから「庖丁」(ほうちょう)と呼ばれるようになり、今の包丁になったと言われている。それだけ歴史が古く、その間にも技術が進化して刃物自体も日用品から嗜好品として、贈り物としても重宝されている。そのような刃物を手にとって実際に試し切りしたり、包丁について深く知ることの出来る店舗のデザインを目指した。

 

 1階は包丁を中心とした刃物の展示販売と試し切りが出来るスペースと、刃物を研いだり加工するスペースを配置し、2階はカフェと料理教室などを開催出来るカフェを兼用したスペース。それぞれのスペースで刃物を違う形で体験出来る空間となっている。200種類以上の刃物をより効率的により美しく見せるために、包丁をマグネットで留められる縦型什器を中心に、内側から間接照明、正面上部のスポットで包丁が引き立つようなディスプレイを短時間で何度も角度や高さを研究し、最終的には柔らかな光が隙間から刃物を照らす美しい什器をデザインすることができた。

 

 価格帯に合わせて展示方法を変えており、ガラスケースの中に収められた刃物の什器や、試し切り什器は切った後の野菜クズが処理しやすいように、まな板置き場からゴミ箱まで無駄のない一体となった什器をデザイン。限られたスーペースだったが、動線となる通路と作業する場所を極限まで寸法を追い込むことで無駄のなく効率的に見ることが出来て、販促効果の高い空間となった。

 

 また素材は竹の垂直性、木材の水平なレイヤーの深み、そして空間を編み上げるような光のグラデーションによって構成。枝葉の隙間から漏れる光のように、木漏れ日の諧調を写しとり、環境と一体となった光の室礼が印象的。通りからの視認性の強調ではなく、素材のテクスチャと光の陰影が自然に中へと誘います。環境そのものが語りかける静謐な構成美に仕上がった。

 

 

Koku ''a knife for Life''

住所:東京都台東区松が谷2丁目13−12

web:https://www.kokujapan.co.jp/ja/

 

計画種別:店舗デザイン

用途:小売店

構造:鉄筋コンクリート造

面積:

 

プロデュース:株式会社SIZEN

設計監理:設計事務所アトリエボンド

店舗施工:株式会社SIZEN