垂水の家 House in Tarumizu

Tarumizu-city Kagoshima 2020 build a house

垂水の家 鹿児島県垂水市 2020 新築 

 

 

自然と向き合う住まい

 

 北側には桜島、東側と南側には海という極めて珍しい環境に建つ住宅。ほぼ年中降り注ぐ桜島の降灰、数年毎、多い時は毎年強烈な台風の通り道であり、数年に1度は甚大な被害が出る鹿児島県垂水市。これまで垂水市内で2店舗設計(港屋たるみずFarm to table TARUMIZU)をさせて頂いているため、1年を通して垂水市の気候は把握していたが、細かな気象条件は地元住民や工務店の社長、職人から聴取して設計の参考とした。

 

 降灰は季節の風向きの影響を受け、春から夏を除いたシーズン、多い時はほぼ一日中。どうしても灰が溜まってしまうため、屋根の掃除やメンテナンスは欠かせない。降灰だけならまだしも、降灰の後に雨が降ることが多く、雨が降ってしまうと灰が固まり掃除も困難になる。また秋には強烈な台風の通り道なので、海からの塩分を含んだ雨や、風で煽られた飛来物から住まいを守らなければならない。そんな過酷な環境に対して、積極的に向き合う住まいを提案した。

 

 向き合うといっても自然には逆らえないため、建物自体は出来るだけ低く、軒も低く深くし、風や飛来物から建物を守り、その分開口部を大きくして開放的な空間を提案。デッキ部分に軒を支えるための柱を配置し、いざ大きな被害が出そうな時は、その柱に補強材を打ち付け建物を同時に守れる造りとした。台風から住まいを守るために大きく突き出した軒下は、室内が降灰の影響を受けにくくするために一役かっている。また降灰のない日やシーズンには、軒下がリビングの延長となり、火山の街垂水市の唯一の特権である『温泉』が敷地に引き込まれているため、足湯を楽しむことが出来る。もちろん浴室にも温泉が出るようになっている。

 

 厳しい自然と向き合うと同時に、自然の素材で家族が心地よく生活出来る空間。自然素材と自然光でより自然な環境を創ると同時に、格子を使った視覚的にも広がりがあり、上質な環境を創ることで、日本らしく、豊かで広がりのある空間は、厳しい自然に対してポジティヴに向き合える自然な住まいの提案となった。

 

 

 

 

 

垂水の家(鹿児島県垂水市)

木造2階建住宅 在来工法

1階床面積:106.77㎡ (32.30坪)

2階床面積:  30.64㎡   (9.27坪)

延床面積  :131.66㎡ (39.83坪)

 

設計・監理:設計事務所アトリエボンド

施工:東建設

 

材料:の床材、栗の床材、杉の壁材(ボンド)