Renovation of House in Sakuranamiki

Muko-city Kyoto 2021 renovation

桜並木の住処リノベーション 京都府向日市 2021 リノベーション

 

『変わり過ぎない日常』

 

10年越しの依頼。

桜並木で有名な閑静な住宅地での住宅のリノベーション。この依頼は10年前に一度頂いたもので、当時はご家族の事情があり実現できなかったのですが、10年経ち築50年の住まいに手を入れないといけなくなり、再度ご依頼下さいました。現地を伺った時、どうしても拭えない古さは感じましたが、50年経ったとは思えないコンディションの良さでした。

 

築年数の問題もありますが、お父様が入院されたことがきっかけで、退院時の自宅介護の不安があり、改修工事をされる決心をされました。とはいえ、お父様を長期間入院させることは難しいので、最短期間でリノベーションをしなければなりませんでした。

 

ご家族の思い出が詰まった住まいの印象を引き継ぎ、大きな変化はお父様を混乱させてしまうかもしれないため、この街並みに相応しく足りない部分を編集するようにデザインを行いました。

 

お父様に関係しないエリアについては、匂いに敏感なクライアントのために極力自然な素材を用いて、シンプルに機能的に過ごすことができるようコンパクトな設計とし、常にお父様の介護と隣り合わせの生活をしなければならないため、動き易くするため1階にある程度の物が集まるようにレイアウトしました。お父様の介護に必要な手すり等は身体の変化に伴い、将来的に取付ができるよう計画、室内は視認性を明確にするため配色を検討しました。

 

築50年経過しているにも関わらず経年のダメージが少ないのは、建築当時の職人の腕の良さを連想させる2階の室礼。2階はクライアントの趣味の部屋とし、以前の改装で新建材を使われていた部分の材料の変更や傷んだ部分の補修をメインとし、春になると自宅前が桜で満開になるため、2階から桜を楽しめるように、外部に格子を設けて、春は窓を開けて室内に風を取り込みながら、桜を鑑賞できる空間となりました。

 

 

桜並木の住処リノベーション(京都府向日市)

木造2階建住宅 在来工法

1階床面積:59.62㎡(18.04坪)

2階床面積:39.75㎡(12.02坪)

延床面積  :99.37㎡(30.06坪)

 

設計・監理:設計事務所アトリエボンド

施工:ヒロキ工務店